ウィリアムズ・ルノー(FW14B)が圧倒的な速さを見せたシーズン。マンセルは史上最速でチャンピオンを決め鈴鹿に乗り込んできた。ホンダは鈴鹿スペシャルエンジンを用意して対抗したが、ウィリアムズの前には残念ながら歯が立たなかった。
このシーズン限りでF1活動の休止を決めていたホンダに対し「ありがとう」の横断幕で名残を惜しむファン達の前で決勝レースはスタートした。しかし期待のセナは、わずか3周でエンジントラブルの為リタイア。すでにタイトルを決めながら、チームとF1から決別を宣言したマンセルがレースをリードする。そして36周目にマンセルはスピードをゆるめると、パトレーゼを前に出した。昨年(1991年))はセナがベルガーに優勝を譲ったが、今年はマンセルがパトレーゼに勝ちを譲った。マンセルは結局45周目にエンジントラブルでリタイア。地元で意地を見せたかったホンダはベルガーが2位表彰台を確保して意地を見せたがそこまでだった。
優勝はウィリアムズのR.パトレーゼ。日本人は、鈴木亜久里 (フットワーク・無限)が8位、この年デビューした片山右京(ベンチュリー・ラルース・ランボルギーニ)は11位で共に完走した。
ホンダの第2期F1活動はこの年をもって終了する。前年に引退した中嶋悟は、「もうこれでホンダ・エンジンの音が聞けないと思うと寂しいよ。今度帰ってくるのは何年後か分からないしね」と語った。
そして、ホンダが次にF1に帰ってくるまで、8年の年月を待たなければならなかった。、
(観衆:15万人)
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