1コーナーの接触、後味の悪いチャンピオン決定。そして亜久里が表彰台に!
チャンピオン争いは、マクラーレンのセナとフェラーリのプロスト。前年と違い、セナがリードする形で鈴鹿にやってきた。予選は1位セナ、2位プロストと前年と同じ。鈴木亜久里は10位、中嶋悟は14位。
そして、決勝はスタートした。予選2位のプロストがダッシュ良く、セナをリードする。ここでチャンピオンタイトルを決めたいセナが続く。そして、1コーナー。コーナー進入で減速をするプロストにセナが突進していく。そしてセナがプロストに追突する形で2台のマシンは接触する。もつれ合うようにコースアウトする2台のマシン。鈴鹿サーキット中に悲鳴が上がった。その場でマシンを降りる二人。目を合わすこともなく言葉を交わすこともなく、静かに歩いてピットに向かう両者。セナの2度目のチャンピオンが決まった瞬間だった。
その後、ベルガー、マンセルら強豪も次々とリタイア。勝ったのはベネトンのピケ。2位には、日本GP直前にヘリコプター事故によって右手切断という事故に見舞われたナニーニに変わって代役参戦したR.モレノが入った。そして、3位にはエスポラルース・ランボルギーニの鈴木亜久里。日本人F1ドライバーが初めて表彰台に上がった瞬間だった。中嶋悟も6位に入り、日本人二人がそろって入賞。嬉しい気持ちはあったが、しかし、後味の悪いチャンピオン決定がすべての印象を打ち消してしまったと感じていた。。
この時は鈴木亜久里の3位の意味に気がついていなかった。日本人が次に表彰台に上がるのは14年ものちになるとは、当時は思ってもみなかったのだ。
14万1000人
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